宗教学を学べるオススメの大学を、私の独断と偏見で紹介します。ちなみに、紹介している順番は思いついた順番です。
そもそも宗教学とは?
ここでは簡単な説明に留めたいと思います。一言で言ってしまえば、宗教とは何かを明らかにする学問です。信仰を前提とすることなく、客観的な立場から宗教を考察します。
宗教の学問とだけ聞くと信仰を深めるような印象を受けるかもしれませんが、むしろ逆で、神は人間が作った、みたいな考え方をしますから、けっこう冷たい学問です。
ちなみに、信仰を前提として宗教を考察する学問としては、神学や宗教哲学があり、宗教学とはまた異なります。
東京大学文学部人文学科宗教学宗教史学専修
宗教学と聞いたときに一番最初に思いつくのは東大だという人は少なくないと思います。
東大の宗教学は大体のことができます。特別何かに特化しているわけではないけど、できないことはない、という印象が強いです。ただ、しいて言うならば、新宗教系の研究がちょっと多いかな、という気もします。
とにかく宗教学をしたいという場合には、ハズレにはならないところでしょう。
北海道大学文学部哲学・文化学コース
北海道大学も宗教学について幅広く学べます。しかし、東大みたいに何でもありというよりかは、若干ですけど、仏教とかアジアに関する研究が多い印象を受けます。
北大だとクラーク博士の印象が強いので、キリスト教に強いのかな、とか思わないでもないのですが、もちろんキリスト教も学べるものの、特化しているとかではなさそうです。
まあ、宗教学のことはだいたいはできそうなので、ここもハズレにはならないのではないでしょうか。
東北大学文学部広域文化学専攻宗教学
東北大学は理論的な研究はもちろんなのですが、フィールドワークにも重きを置いています。ここの研究室とはまた別になるのですが、実践宗教学というのもやっていて、こちらでは死生学とかスピリチュアルケアとか珍しいことをやっています。
宗教学も実践宗教学も仏教やアジア関連の研究が多いように思います。
本を読むだけではなく、現場にも行きたいという方にはいいところだと思います。逆に、理論的な研究だけをやりたいという場合にはちょっとクセのあるところなのかもしれません。
九州大学文学部比較宗教学
すみません、本当にこれは偏見なのですが、人類学っていう印象が強いです。ここもフィールドワークに重きを置いているように思います。
筑波大学宗教学コース
割りといろいろなことができるところだとは思いますが、仏教やインド哲学寄りな印象を受けます。あと人類学的な印象も受けます。
関西大学文学部比較宗教学専修
個人的に好きなところです。ここはかなり何でもありな印象を受けます。教員の専門分野も、仏教やイスラームなどさまざまで、このあたりに比較宗教学的な要素が感じられますね。
ここまで読んでいただいたらわかると思うのですが、宗教学は日本ではかなりマイナーで、旧帝大レベル国立大学でないと学べません。私立大学だとその大学が持つ建学の精神となる宗教に関することしか学べないことが多いのですが、関大はバックボーンが宗教と関係ないからかもしれませんけど、こういう面白い専攻が用意されています。
私立で宗教学をやるなら関大、とまで言ったら大げさかもしれませんが、けっこう有名ですし、大体のことはできますから、宗教学に興味のある人にとってはハズレではないと思います。
その他、宗教学ではないけど特色のあるところ
宗教学ではないのですが、面白いことができる大学も紹介したいと思います。
同志社大学神学部
神学と言えば普通はキリスト教神学のことを指しますが、同志社ではユダヤ教、キリスト教、イスラームの3つの一神教を学ぶことができます。この3つを一つの場所で学べる場所は実は世界的に見ても稀で、日本だからこそできるのかもしれません。
3つの宗教を比較しながら学ぶことができるので、宗教学ではありませんが、宗教学的な視点も得られるのかな、という気がします。
ちなみに、普通、神学部は牧師の推薦やクリスチャンであることが必要となるのですが、同志社はキリスト教の信仰がなくても普通に受験可能です。
京都大学文学部宗教学専修
京大の場合は、「宗教学」という名前が付いているものの、中身は宗教哲学で、宗教学とは異なります。かなり特殊な場所だと思います。ガチガチの宗教哲学を専攻したいという場合は、日本でなら京大一択になるかと思いますが、そうでないのならちょっと考えた方がいいかもしれません。ただ、宗教について幅広く学べることは学べます。
まとめ
有名な大学ばかりになってしまったのですが、本当に宗教学はマイナーで、学べる大学は少ないです。
ただ、宗教学とは異なりますが、宗教系の私立大学に関しては、その宗教に関する専攻を置いていることがあります(これもそんなに多くはないですけど)。有名なところだと、龍谷大学や駒澤大学には仏教学がありますし、国学院大学では神道を学べます。
また、国際関係の学部であれば宗教学の講座を少ないながらも何かしら置いているはずなので、そのあたりを利用するのもいいかもしれません。
純粋に宗教学を専攻するとなると数は限られますが、「宗教」を学べる大学と広く捉えると数は少し多くなるのかな、と思います。